診療科目歯列矯正

歯並びや受け口が気になる

顎の骨が成長段階のうちに開始することで、治療も簡単で費用も安く対応でき、何よりお子様の負担が少なくなります。

前歯が生え変わったら相談の時期です

現在、矯正治療の主流は、永久歯の抜歯をして、できたスペースに歯を並べる方法です。しかし理想的な時期に治療を開始できれば、多くの場合、永久歯を抜歯する必要はなくなります。

それが私たちが目指す矯正治療です。

抜歯を行うことの弊害

顎の大きさに比べて歯が大きい場合、歯を抜いてスペースを作ることがあります。確かに、その後歯は短期間できれいに並べることができます。個々の歯の大きさと顎の大きさが変わらないと考えれば、歯の数を減らすのは仕方ないかもしれません。しかし成長期には顎は大きく成長します。その時期をうまく利用できると、歯列を大きく拡大することができるのです。逆に歯を抜くことでのデメリットはないのでしょうか?

上下の歯で囲まれたスペースは舌が入る部屋です。歯を抜いて歯列が狭くなり、舌の部屋が狭くなると、舌はのどの方へ追いやられてしまいます。そうなると空気の通りが悪くなり、結果、酸素の取り込みが減ってしまいます。酸素不足は不定愁訴につながります。こどもであれば、「落ち着きがない」「寝起きが悪い」「ボーとしている」「イライラしている」のは酸素不足かもしれません。中学生くらいになると、酸素不足から男子であれば偏頭痛や頭痛、女子であれば冷え性などが見られます。また、舌が大きい、舌の筋肉がなく広がっている、舌小帯が短く動きが悪い、大きな骨隆起がある場合なども同様に、酸素不足の状態を作り出し、不定愁訴を起こします。

治療開始時期について

まず私が考える理想的な開始時期ですが、反対の噛み合わせ(受け口、反対咬合など)がある時は、4歳を過ぎたら開始します。また歯がガタガタに並んでいるような場合(叢生など)は、6歳臼歯が生える6,7歳から治療を始めます。

このように早い時期に治療を開始する最大のメリットは、顎の成長を利用しながら歯並びを整えることができるため、抜歯をしないで済むことです。

また歯並びの不正が大きくなる前に、より簡単な方法で治すことができるのです。とりかかりが遅れ、顎がゆがんで(顎変形症)しまってからでは、手術が必要になるケースもあり、そうならないためにできるだけ早期に治療を開始します。

当然、上記の理想的な開始時期を過ぎていても、治療を行うことは可能です。その場合もできるかぎり抜歯しない治療を目標にします。前歯の永久歯が上下4本ずつ生えて来た頃から検査をして治療をスタート出来ます(もちろんそればかりではありません)

治療期間について

こどもの矯正治療は永久歯が生えそろい、きれいに噛み合った時点でゴールと考えています。だいたい13歳くらいまでです。開始時期にもよりますが、理想的に進めていくと、6~8年間ということになります。開始が早い分、期間は長くかかります。治療が終了した後も、後戻りがないように定期検診が必要になります。

治療の装置について

当院で行う矯正治療の半分以上は歯の内側につける器具や、取り外しのきく器具を用います。最後の噛み合わせの仕上げの段階で歯の表に細かい器具をつけます。

これは歯列が大きく拡大的発育するのを、内側から手助けする意味があります。外側から発育を抑えてしまっては、せっかくの顎の成長を利用できません。

また装置が目立たないので、小さなこどもの見た目の抵抗は少なくなります。最後の仕上げの装置を歯の表面につけるころには、治療の必要性を理解できるようになり、あまり嫌がることはないようです。

3D装置

6歳臼歯に金属のバンドをはめ、ワイヤーが歯の裏側に沿った形なので表からは見えません。永久歯に生え変わるまでの矯正は、成長、発育を阻害しないようにほとんどがこの装置で治療を進めます。

痛みが少なく形もシンプルな事から虫歯にもなりにくい特徴があります。(一期治療)

マルチブラケット

永久歯が生え揃った時にマルチブラケットという表からの装置を使用してしっかり咬める状態に仕上げて行きます。(二期治療)ブラケットには金属製のものと、プラスチック製のものがあります。金属製のものは丈夫で、ワイヤーとの摩擦が少なくコントロールしやすいですが目立ちます。プラスチック製は、透明で目立ちませんが、破損することがあり、動かすときワイヤーとブラケットの摩擦抵抗が大きくなります。

費用について

矯正治療は健康保険の適用が認められておりません。自費診療になります。

子どもの受け口について

三歳から始められるムーシルドというマウスピース型の治療装置で治療が可能です。受け口は特に早期の治療開始が望まれます。詳しくはご相談下さい。

舌の重要性について

最近、舌小帯の短いお子さんが増えています。

舌小帯が短く動きが制限されたり、または、嚥下(飲み込み)の時の舌の動きに癖がある場合に、結果的に歯並びに不具合が生じる可能性が高くなります。また舌の筋肉や筋力がなく、アメーバのように舌が広がっている子も同様です。

このような場合、歯並びを矯正で直そうとしても、思うように進まなかったり、治ったとしても再発することが考えられます。その為、当院では矯正治療と同時に、舌のトレーニングを行っていただき、舌小帯が短い場合は切除することをお勧めします。

歯並びの治療はできるだけ早い時期に開始した方が、お子様への負担も軽く、選択肢も多くなります。早めに始めることで、永久歯を抜かずに治療出来る事もお子様の歯並びが気になったら、出来るだけ早めに相談に来て下さい。